ハンダ・オペラ・オン・シドニー・ハーバー2026は『オペラ座の怪人』世界初演40周年記念イベントの幕開
2026年のハンダ・オペラ・オン・シドニー・ハーバーは、2022年以来となる『オペラ座の怪人』が再び上演されました。
2012年から始まったハンダ・オペラは、これまでに海外から数十万人規模の観客が訪れたとのことです。
世界から観光客を惹きつける、魅力的なイベントが数多く開催されるシドニーですが、その中でもこのハンダ・オペラは、シドニーでしか体験できない舞台芸術として、シドニーを代表するプレミアムな文化イベントになりました。
そして2026年の公演によって、このイベントの評価、価値は、さらに一段押し上げられたようです。

もともとニューサウスウェールズ州は、ハンダ・オペラを州外や海外から多くの旅行者を呼び寄せるイベントとして高く評価していました。そして今年は見るべきマストイベントとして、紹介しました。
主催するオペラ・オーストラリアと、Destination NSW(ニューサウスウェールズ州政府観光局)によると、2026年公演は需要が非常に多かったため、通常の4週間を、初めて5週間へ延長したそうです。そして延長シーズンを含めた全公演が完売し、観客9万2千人超えを記録したとのことです。

これは当時、最高動員数を記録した2022年『オペラ座の怪人』を約30%上回る過去最高の数字です。座席はおよそ3000席ですが、それが5週間、毎晩満席になるという驚異的な公演になったようです。
さらに今年は『オペラ座の怪人』の世界初演40周年を祝う世界的な記念プログラムが目白押しで、その最初の大きなイベントになったのでした。

メディアのレビュー
多くの観光客と、莫大な収益をシドニーにもたらすビッグイベントですが、本質はあくまで舞台芸術です。ですので、舞台の中身の評価がやはり気になります。そこで、複数のメディアのレビューによる評価や感想をまとめてみることにしました。
まず、主役となるファントム役のジェイク・ライルは、22歳と言う若さで大抜擢されましたが、信じられないほどの完成度だったと評価されています。特に声の素晴らしさは、ほとんどのレビューで絶賛されています。
一方では、ファントム役のもつ危うさ、重みを表現するには、少し若すぎたと言う声も若干あります。いずれにしても、ジェイク・ライルのプロデビューは、今回の公演の象徴的な出来事として印象に残り、かつまた将来がとても楽しみだという評価です。

そして、クリテティーヌ役をつとめたエイミー・マンフォードは、パース出身のソプラノ歌手、舞台女優として、オーストラリア内外で活躍する世界的に知られた歌手になります。
特にこのクリスティーヌ・ダーエ役で、世界的な評価を不動のものにしたと言われるだけあり、今回どのレビューでも絶賛されていました。複雑な感情を丁寧に歌い上げる歌唱力と演技力は、公演全体を支えていたとの高い評価です。

美貌に見惚れてしまいそうですが、この二人の主役の成功だけでも、この公演が特別な評価を得るものになったのだろうと思います。

ビデオで良いので見てみたくなりますね。舞台全体についての感想は、「シドニー湾という自然そのものが舞台装置の一部となり、劇場では再現できない特別な体験」
「風、月、雲、夜空、港の空気まで含めて、一晩限りの舞台が完成する。自然が毎晩違う演出を加えるため、同じ舞台は二度と再現できない。」「「シドニー湾でなければ成立しない『オペラ座の怪人』になった」
「シドニー・オペラハウスを背景に、港の上で『オペラ座の怪人』を観て、実際の風が舞台を吹き抜ける体験は、「一生に一度」と言えるほど忘れがたいもの」
「Opera Australiaがこれまでシドニー湾で上演した中で最も強力な作品」「『オペラ座の怪人』40周年を祝うにふさわしい豪華なプロダクション」

などなど、一言で言うと抽象的表現になりますが、実際のレビューでは、それぞれが、圧倒的な舞台美術の素晴らしさ、スケールの巨大さ、オーケストラの音楽についても、細かく具体的に評価していました。

金箔で覆われた巨大階段、豪華な衣装、4メートル四方の巨大シャンデリア、ゴンドラ、花火など、印象的な舞台美術は、画像からもその一端が伺えます。特にシャンデリアが夜空を移動する場面では、客席から実驚きの声が上がったとのことです。

野外公演においてネックになりやすい音響効果も、歌詞や音楽が鮮明に客席に届いたそうです。
ただ、巨大な野外ステージなので、音響的な親密感が失われやすい、演技を大きくしなければならない、微妙な表情や心理表現が伝わりにくい、歌手とオーケストラが物理的に離れている、などの問題も指摘されていました。

厳しめのレビューでは、視覚的なパンチは強烈だったが、壮大な巨大演出の影に、感情的な表現が犠牲になったというものもあります。
『ファントム』において重要な孤独、愛、嫉妬、恐怖という心理ドラマが薄くなったとの見方ですね。ただ、その中でもエイミー・マンフォードは、クリティーヌの繊細さと強さを表現していたと評価されていました。

と言うことで、ほとんどは大絶際ですが、一部、その圧倒的な美しさ、壮大さの中で、人間ドラマがどれだけ表現されたかを、問題視する声もある。そんな感じでしょうか。
実際のステージを見てないので、意見はできませんが、圧倒的なスケールの舞台に魅せられ、素晴らしい歌声を聞くと、ほとんどの人はそれで大満足になったのではないかと思えてきました。


キャスト&クリエイティブ
- 演出:Simon Phillips
- 音楽監督:Guy Simpson
- 舞台・衣装デザイン:Gabriela Tylesova
- 振付・共同演出:Simone Sault
- 照明デザイン:Nick Schlieper
- 音響デザイン:Shelly Lee
- 副音楽監督:Dominic Woodhead
- 演出助手:Matt Heyward
- 音楽監督助手:Kevin Wang
主要キャスト
- ファントム:Jake Lyle
- クリスティーヌ・ダーエ:Amy Manford
- ラウル(シャニュイ子爵):Jarrod Draper
- ムッシュー・フィルマン:Brent Hill
- ムッシュー・アンドレ:Martin Crewes
- マダム・ジリー:Debora Krizak
- カルロッタ・ジュディチェッリ:Giuseppina Grech
- ウバルド・ピアンジ:Daniel Belle
- メグ・ジリー:Jayme Jo Massoud
- 競売人:Lachlan O’Brien
- 宝石商:Daniel Tambasco
- ムッシュー・レイエ:Lachlan O’Brien
- パッサリーノ:Raphael Wong
- ジョセフ・ブケー:Michael Lampard
- 美容師:Andrew Dunne
- ドン・アッティリオ:Darcy Carroll
- コンフィダンテ:Melody Beck
- アンサンブル/ダンス・キャプテン:Danielle Evrat
アンサンブル
- Jessica Bock
- Mia Byrnes
- Georgia Cosgrove
- Mia Coutts
- Matt Cranleigh
- Zac de Gersigny
- Anthony Garcia
- Michaela Hodgson
- Bianca Hopkins
- Catrin Lewis
- Josephine Lonergan
- Natalie Lui
- James MacAlpine
- Imogen-Faith Malfitano
- Sofia Mancini
- Jake Maskill
- Madeline McCartney
- Ella Nonini
- Ryan Ophel
- Ellise Pellizzer
- Matthew Reardon
- Annabelle Rosewarne
- Julian Seguna
- Anna Stephens
- Leon Vitogiannis
- Vanessa You
- Cathy-Di Zhang
- Massimo Zuccara
スウィング
- Paul Whiteley
- Tom Sharah
- Rachel Breeze
Swing(スウィング)は、特定の一役だけを担当するのではなく、複数のアンサンブル役や出演者の代役を務められるよう準備しているキャスト
2026『オペラ座の怪人』の動画
いくつか、今回の公演に関する動画を掲載しておきます。











