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東京芸術財団主催、オペラ「コジ・ファン・トゥッテ」のユーモラスな演出

Fuziwara

今年の3月のことですが、五反田のゆうぽうとホールで、モーツアルトのオペラ「コジ・ファン・トゥッテ」を観てきました。主催は東京芸術財団です。そして、音楽・芸術監督が深見東州先生でした。

モーツァルトが作品に込めた意味

モーツァルトのオペラは、『フィガロの結婚』『ドン・ジョヴァンニ』『魔笛』の3大オペラ が有名で、この3つは深見東州先生も、世界芸術文化振興協会のIFACオペラでタイトルロールを演じられました。

僕はすべて観ましたが、今回の「コジ・ファン・トゥッテ」も、その三つに負けないくらい、オペラ・ブッファ(喜劇オペラ)の傑作として有名ですね。

ストーリーは、美しい姉妹のそれぞれの恋人である二人の男たちが、恋人の貞節を試すためにお互いの相手を口説くという内容です。すると女性二人とも心変わりしてしまうという、ハラハラする面白い展開になります。

しかしこのオペラは、当時のヨーロッパでは内容が道徳的に不謹慎であるということで、長い間不評をかこっていたそうです。あのベートーヴェンもこのオペラを見て、「軽薄すぎて嫌悪感を感じる」といった話も残っているくらいです。

いまでは恋多き女性は普通となってしまい、貞操に対する考え方も変わってしまいましたが、モーツアルトのころのヨーロッパでは、男がいろいろな女性に声をかける事は許されても、女性には貞淑さを厳しく求める時代だったようですね。

「コジ・ファン・トゥッテ」とは、「女はみんなこうしたもの」と言う意味ですが、要するに「女性の気持ちなんてすぐに変わるよ」と、モーツアルトはこの作品で言い放ったわけです。

もちろんそれがその時代、キリスト教の女性の貞操と言うタブーにふれることを知りながら、堂々と書いたわけでしょう。

つまりこの作品は、モーツアルトがキリスト教的な女性の純潔に対して、それを皮肉り喜劇にし、笑い飛ばしてるのかもしれません。そう思って観ると、また違った味わいがあるような気がします。

1790年1月26日ウィーンのブルク劇場での初演時のポスター

深見東州先生によるユーモラスな演出

東京芸術財団が主催し、そして、音楽・芸術監督が深見東州先生となれば、当然ありきたりな演出にはなりません。今回の「コジ・ファン・トゥッテ」の演出も、オリジナルなものとは、ひと味もふた味も違った見どころがありました。

まず、登場人物のそれぞれのキャラに合わせた動物が決まっていて、途中からそれに変身するという演出になっていました。

恋人の貞節を信じて疑わない二人の実直な青年士官は、その内面を犬にたとえて、ハスキー犬とビーグル犬に変身します。逆に恋人を裏切る二人の女性たちは、その内面を猫にたとえて、それぞれシャム猫とペルシャ猫に変身するという具合です。

もちろん最初からではなく、動物に変身するのは、全二幕のうちの第二幕目からです。

第一幕は、青年士官フェルランドとグリエルモの二人に、老哲学者アルフォンソが、「女の貞節なんて、アラビアの不死鳥のようなもの。皆が話題にするけど、誰も見たことがない」とうそぶき、貞節をめぐって賭けをするシーンから始まります。そして、アルフォンソの策略が始まります。

まず、フィオルディリージ(グリエルモの恋人)と、その妹ドラベッラ(フェルランドの恋人)に、青年士官の二人が急に戦争に行かなくてはならなくなったと伝え、士官二人に出発するふりをさせます。

そのあと士官二人を変装させて、姉妹に別人として紹介し、誘惑させようとするのです。これだけでなにやら不穏なストーリーですよね。

第二幕では、アルフォンソからチップをもらって姉妹に浮気をすすめる女中デスピーナが、「女も15歳になったら、千人の男を同時に手玉に取らなければ」を過激に歌い上げるところから始まります。

このときデスピーナは、人を化かして喜ぶかのようにキタキツネに変身して歌うのです。ちなみにこの衣装がキャリーパミュパミュばりの、とってもかわいい衣装でした。

そして、断固として愛を貫くと言っていた姉妹も、ついに、本来の恋人と入れ替わった二人の男たちに口説かれてしまいます。この時には、この二組の男女も猫と犬に変身しています。

最後に、青年士官と賭けをし、姉妹を誘惑して思いどおりに目的をとげた老学者アルフォンソも、タヌキに変身します。

なにやらすべての動物キャラが、ぴったり役柄にはまってますね。登場人物の内面性が、それにふさわしい動物として表現されることで、心の動きがダイレクトに伝わってきます。

さらに、演じている人も生き生きとしていて、観る人は視覚的にも笑える上に、楽しさも倍増でした。

ちなみに余談ですが、ワールドメイトではタヌキやキツネには、あまり良い印象がありません。でも、ここでのタヌキやキツネは、ユーモラスで楽しい存在になっていたので、素直に楽しめました。

ワールドメイト会員の僕も安心して楽しめました。最後は浮気した女性たちも、恋人の貞節を信じていた男性たちも、人として一皮むけ、「幸せなのは、人の良い面だけを見ることだ」を全員で歌って元の鞘におさまり、ハッピーエンドで終わります。

「コジ・ファン・トゥッテ」の評価と感想

さて、この「コジ・ファン・トゥッテ」には、「恋人たちの学校」というサブタイトルがついています。

そのモーツアルトの作曲した「恋人たちの学校」から、私たちはなにを学ぶことができるかなんて、いまさら野暮なことは申しません。素晴らしい音楽を楽しむだけで、本当は十分でしょうから。

でも、「愛とは、お互いをよく理解することだ」と言うことに気づいて、幸せな恋を学ぶことだってできるかもしれません。おっと、僕はもう恋が許される身分ではありませんけどね。

モーツァルトの作品はどれも素晴らしいですが、こちらの作品は、つい20世紀後半まで『フィガロの結婚』『ドン・ジョヴァンニ』『魔笛』といった他の作品に比べて評価が低かったというのが信じられないです。

女声3、男声3のいろいろな組み合わせによる重唱が多く、今では、アンサンブル・オペラの傑作という評価になったようです。

ところで肝心の歌のほうはどうだったかと言いますと、これが期待通り聞き応えがありました。

今回の出演者は、シドニーオペラハウス専属、国立オペラ・オーストラリアから若手ソリストが3名登場しました。恋人を裏切る姉妹の妹ドラベッラ、二人の青年士官、グリエルモとフェルランドを演じました。

特にドラベッラ役のメゾ、アンナ・ドースリーさんの歌声に聞き惚れてしまいました。伸びやかで表情のあるとても美しい声で歌われます。才能豊かな、とても有望な方だなという気がします。

そして、もう一人オペラ・オーストラリアから、英国のコベントガーデンをはじめ世界中で活躍するバスのコナル・コードさんが、老学者アルフォンソ役で出演しました。

この方の低音の魅力は、今回も半端じゃないものがありました。3年前にも、IFAC主催のオペラ『ナブッコ』に予言者ザッカリヤ役で出演し、存在感ある歌と演技で聴衆を魅了しました。ワールドメイト会員にも、この人のファンがいますね。

ちなみに国立オペラ・オーストラリアは、世界12大オペラ団のひとつです。

日本からは、姉のフィオルディリージ役に岩井理花さん、姉妹の小間使いのデスピーナ役に大貫裕子さんが出演しました。日本の声楽界では、実力と華を兼ね備えたソリストのお二人です。僕も何度か公演で見ていますが、ワールドメイト会員にもファンが多いようです。

今回は、途中からいつもと違うコスプレでの歌唱でしたけど、最後まで熱唱してもらいました。素晴らしかったです。

個人的には、フィオルディリージが歌うアリア、「風邪にも嵐にも」が良かったです。また、2幕のはじめでデスピーナが歌うアリア、「女も15歳になったら」も素敵でした。二重唱から六重唱まで繊細華麗なアンサンブルの佳曲が多い中、美しいアリアにも存在感を感じます。

それから、動物の衣装がどれも凝っていて、とくにデスピーナの衣装はほんとにかわいいうえに、それがまたソプラノの大貫裕子さんによく似合ってました。尻尾がピンと立つところなど、細部までよくできていました。

そして、演出のことで忘れてならない試みがもうひとつあります。それは、今回のオペラの合間に、劇団による短い芝居が挿入されたことです。

もちろんこれは初の試みです。誰も想像すらしてなかったので、最初は「おっと、何事か?」と思わず口に出たほどでした。

もちろんこれも深見東州監督による演出でしょう。日本人には「オペラは退屈なもの」、と言うイメージもまだまだあるようですが、芝居を上手にいれて笑いを取るやりかたは、そんな人でも楽しめると思います。

いつもながら深見東州先生の発想は、とってもユニークで、創造的で、意外性があり、見る人を楽しませてくれます。

深見東州先生の芸術のフィロソフィー

最後に、パンフレットから、深見東州先生の挨拶の一部を紹介して終わりたいと思います。

ところで、日本人は、芸術といえば「よくわからないもの」、「退屈なもの」、「眠くなるもの」と誤解している人がいます。しかしそんなことはありません。オペラもシェークスピアの演劇も、誕生した当初は、松竹新喜劇や吉本興業のような大衆演劇だったのです。エンターテイメント第一、観客を楽しませることが第一の演劇です。そこに素晴らしい音楽と文学的表現があり、普遍的な人間ドラマが織り込まれているものが、名作です。それが、古典として生き残り、今も世界中の人々に愛されてるのです。

特にモーツァルトや、シェークスピアの作品は、ギャグや下ネタが満載です。まじめに鑑賞するよりも、お腹をかかえて笑いながら観るものです。ロッシーニやドニゼッティにとっても、そのほうが嬉しいはずです。

しかし喜劇であっても、そこに深い人間理解があり、温かいハートやメッセージが伝わらないものは、感動を与えることはできません。それは決して芸術とは言えないものです。この本質を尊重しながら、観客が楽しめる、新しい試みや挑戦を加えてこそ、芸術と言えるものでしょう。このフィロソフィーを大切にしながら、今後も新しい試みのオペラや、舞台芸術を世界に発信したいと願うものです。

「コジ・ファン・トゥッテ」(女はみなこうしたもの、または恋人たちの学校)

主催. 一般社団法人 東京芸術財団

  • 全2幕. イタリア語上演/字幕付き 
  • 作曲ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
  • 台本ロレンツォ・ダ・ポンテ

総合芸術監督・制作総指揮  深見東州(半田晴久)

キャスト

  • フィオルディリージ  岩井理花
  • ドラベッラ アンナ・ドースリー 
  • フェルランド  ヴィルジリオ・マリノ 
  • グリエルモ  ジェイソン・バリー・スミス 
  • ドン・アルフォンソ  コナル・コード 
  • デスピーナ 大貫裕子
  • 助演(明るすぎる劇団・東州)

スタッフ

  • 指揮 : 高野秀峰
  • 演出 : 大島尚志
  • 舞台 : 美術西川成美
  • 衣装 : 牧野純子
  • 照明 : 奥畑康夫
  • 音響 : 山中洋一
  • 舞台監督 : 飯田貴幸

管弦楽 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

チェンバロ 木村裕平

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ワールドメイト会員歴は30年超
以前、「深見東州氏(ワールドメイト代表)の実像に迫るサイト」を運営していました。わけあって、新たにサイトを立ち上げる事にしました。昔、書いた記事はリライトしてから、随時、こちらのサイトに投稿する予定です。
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