
2024「ハンダ・オペラ・オン・シドニー・ハーバー」で『ウェスト・サイド・ストーリー』再び上演

今年もシドニー恒例の人気イベント「ハンダ・オペラ・オン・シドニー・ハーバー」が始まっています。
今年は、2019年以来となる、再びの『ウェストサイドストーリー』が上演されています。
語り継がれる『ウェスト・サイド・ストーリー』の音楽、ダンス
『ウェスト・サイド・ストーリー』は、1957年にブロードウェイで初めて上演されるや、爆発的な人気を博したミュージカルの傑作として知られていますよね。
音楽はレナード・バーンスタインが作曲し、「トゥ・ナイト」「マリア」「アメリカ」「サムウェア」など名曲の数々が生まれました。今でも色褪せることなく歌い続けられていますね。
バーンスタイン自身は、『ウェスト・サイド・ストーリーの音楽を、1984年に初めてレコーディングします。この時マリア役にキリテ・カナワを、トニー役にホセ・カレーラスという超一流オペラ歌手を起用しました。

キリテ・カナワもホセ・カレーラスも、深見東州先生が日本に呼び共演したことがあります。それで僕もこのアルバムを、以前聞いてみました。
1961年に映画化された『ウェスト・サイド・ストーリー』を観た人は多いと思いますが、ミュージカル映画とはかなり趣の違う、オペラ舞台のような『ウェストサイドストーリー』でした。
この違いは好き好きだと思いますが、二人の声はやはり美しいなと思いましたね。
『ウェストサイドストーリー』の脚本は、シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』を元に作られただけあって悲劇の物語です
当時の複雑な社会背景のもと、ポーランド系アメリカ人とプエルトリコ系アメリカ人による二つのグループの対立、行き違いや憎しみなどが描かれています。
その中で本来敵対しているはずの二人の若者に恋が芽生えます。そして抗争の波に翻弄されていく様子に、ハラハラしながら引き込まれていき、最後には涙を誘いますね。
それだけではなく、エキサイティングなダンスシーンや、素晴らしい音楽との相乗効果も相まって、心に深く刻まれる、カルト的人気作品になってますね。つい何度も見てしまう映画です。

ところで2019年の「ハンダ・オペラ・オン・シドニー・ハーバー」で上演された最初の『ウェスト・サイド・ストーリー』の演出は、オペラ・ミュージカル界の巨匠フランチェスカ・ザンベッロが手がけました。
そして過去最高の売り上げを記録します。観客も評論家たちも大絶賛していたそうです。
屋外ステージの広い空間を、ダイナミックに、巧みに使った、しびれるような振り付けも、大変素晴らしかったようです。
2014年版『ウェスト・サイド・ストーリー』のキャスト
今回の2024年版では、それらを踏襲しつつ、新たなキャストを迎えて上演されていますね。
旅行会社のツアー企画には「世界クラスの景色が楽しめる素晴らしい屋外ロケーションに、想像を上回る壮大なセット・デザイン、目もくらむ衣装に、ダンス、アクロバットを加え、仕上げには華々しい花火で」、という感じの宣伝文句が並びます。
食事も充実していて、ポップアップ・バー&ダイニングレストランが、敷地内に5つの異なるテーマで用意されているそうです。
写真や動画を見ると、シドニーでも最高の夜景や夕日の美しさを堪能できるようですね。色とりどりの花火の演出もシドニー湾上空を彩ります。
つまりステージ以外の環境も抜群で、ラグジュアリーな一夜を過ごすのにもってこいのイベントでしょうね。世界中から観光客を惹きつける目玉イベントになっているのも理解できますね。
今回のキャスト&クリエイティブスタッフは以下の通りになってました。
- 監督 : フランチェスカ・ザンベッロ
- 音楽監督 : ガイ・シンプソン
- アソシエイト・ディレクター : エリック・ショーン・フォゲル
- リバイバル振付家 : キイラ・シュミット・カーパー
- セットデザイン : ブライアン・トムソン
- 衣装デザイン : ジェニファー・アーウィン
- 照明デザイン : ジョン・レイメント
- 音響デザイン : デス・オニール
- リバイバル・サウンド・デザイナー : ジェイク・ルーサー
- オペラ・オーストラリア管弦楽団
- トニー : ビリー・ブルキエ
- マリア : ニーナ・コルベ
- アニタ : キンバリー・ホジソン
- リフ : パトリック・ウィットブレッド
- ベルナルド : マヌエル・スターク・サントス
- スタンバイ・トニー : ジョエル・グレンジャー
- スタンバイ・マリア : クラリッサ・スパタ
この「ハンダ・オペラ・オン・シドニー・ハーバー」を、深見東州先生が会長である世界芸術文化振興協会(IFAC)が、2012年の最初の公演からずっと支援をしています。
ビクトリア州政府も積極的にサポートしていますが、民間の世界芸術文化振興協会(IFAC)の支援がなくては、この最高の舞台も実現しなかったそうです。
このイベントを発案し大成功に導いたオペラ・オーストラリアの芸術監督で、深見東州先生と親交が深いリンドン・テラチーニ氏は、一昨年に退任していました。ただ、このハンダオペラへの支援は継続して行かれるようですね。

報復に次ぐ報復、憎しみからは不幸しか生まれないという、今の国際情勢の縮図を見るかのような、そんなメッセージを残す作品だからこそ、今も人々の心に訴える、愛され続ける所以なのかもしれません。