
安倍晋三首相もメッセージ、「世界の若い議員と語り合うグローバル・オピニオン・サミット」開催

世界開発協力機構と列国議会同盟による、「世界の若い議員と語り合うグローバル・オピニオン・サミット」が、東京ビッグサイトの会議棟で開催されました。7階にとても立派な国際会議場があり、そちらの本会場と、入りきれなかった人は1階のレセプションホールにて、モニターによる視聴ができました。
僕は早めに着きましたので、なんとか本会場で参加できました。映像や写真では何度も見てますが、直接東京ビッグサイトに来たのは初めてなので、奇抜な外観に目を奪われましたね。

それは置いといて、今回のサミットは期待していた以上に、とても刺激的な内容でした。色々と思うことはありますが、過去開催された世界オピニオンリーダーズサミットとは違った意味で、とても意義深いものになりました。
今回は、これまでのサミットのように世界的に著名な政治家が参加したわけではありません。日本では知られていない若い議員が中心の議論でしたので、そこまで参加に乗り気ではなかったのですが。
ただ深見東州先生を紹介する記事を書いてきたワールドメイト会員としては、面白そうかどうかで参加を決めてはいけないと思い直し、張り切って参加しました。
そしてやはり参加してよかったです。これは、本当に多くの日本人に聞いてもらいたい内容でした。政治や海外のことに関心が薄い人にも見てもらいたいと思いました。
なんといっても世界の若い議員の情熱に深く感じるところがありました。いろいろな違いはあれど、求めるものは同じだなと思いました。そして何度も何度も議論を重ねる中でお互いを深く知るようになり、国の指導者としてふさわしい人物になっていくのだろうなと、未来に希望を感じながら聞いてました。
開発援助の実態についても知見が広がりました。メディアの報道ではわからない開発援助の実態も知ることができました。
今回のサミットを聞いた人が、皆、同じ思いを持ったかどうかは分かりませんが、僕としては、ありがたい体験の一つとなりました。
とりあえず整理して、次回は具体的な内容を、少し書いてみることにします。

雑誌に掲載されたサミットの内容
開催後、いくつかのスポーツ紙や雑誌で今回のサミットの内容が記事になりました。せっかくなので、それらの記事を追記で紹介しておこうと思います。
グローバル・オピニオン・サミット開催 半田晴久「平和と開発」を両立させる法
安倍首相もバックアップするWSD(世界開発協力機構)とIPU(列国議会同盟)の議論
マルチ才能を発揮する怪人物
「世界の若い議員と語りあうグローバル・オピニオン・サミット」が5月30日、東京ビッグサイト国際会議場(東京・江東区有明)で開催され、35カ国から105人の議員らが参加して活発な議論が交わされた。
主催はWSD(世界開発協力機構・半田晴久総裁)で、共催は世界166ヵ国議会が加盟する国際組織IPU(列国議会同盟)だ。日本の外務省や財務省、経産省のほか東京都なども後援する大サミットである。
WSD総裁の半田氏は別名を戸渡阿見、深見東州といい、八面六臂の活躍を続けている。ときにロックやオペラ、演歌歌手としてコンサートを開いたかと思えば、舞台芸術家、宗教家、能楽師、画家、作家などマルチな才能を発揮している。「怒涛の合格」で知られる予備校「みすず学苑」の学長も務めている。
グローバル・オピニオン・サミットの活動について半田氏が語る。「WSDではこれまで3回の『世界オピニオンリーダーズサミット』を開催してきた。スペシャルゲストに、ビル・クリントン元米国大統領やトニー・ブレア元英国首相、ジョン・ハワード元豪州首相、フィデル・ラモス元フィリピン大統領などを招聘し、熱い議論を交わした。今回はその発展形で、世界35ヵ国105人の議員が集まり、世界的に広がっている不平等改善のための開発協力などについて、有意義な討論ができた。今後も世界中から優れたオピニオンリーダーを日本に集め、世界平和や日本、アジアの未来の語り合っていく」
当日は1部、2部制で構成。午前中の1部(一般非公開)はIPUのセイバー・チョードリー議長や外務省国際協力局の岡庭健審議官、日本国際フォーラム評議員の廣野良吉氏らによる、「開発協力の導入」に関する問題提起で始まった。
IPUとは列国議会同盟と訳される。1889年に設立され、主権国家の立法府による国際組織として、唯一かつ最高の権威を有する。127年の歴史の中で、国連や国際司法裁判所の設立に大きな貢献を果たした。現在、世界166ヵ国が加盟し、民主主義や人権、男女同権を柱として国際平和や国際協力を推進している。
一方、WSDは特定非営利活動法人(NPO法人)の認定を受けた支援組織。IPUはアジアでの活動を強化し、若い議員の参加や育成、女性議員の増加を目指し、2013年史上初めて民間組織のWSDと提携したのだ。
ちなみにIPUのチョードリー議長はバングラデシュ、マーティン・チェンゴン事務総長はカメルーン出身の国会議員である。
若い世代の政治参加を促進へ
午後の部は「日本の開発協力と国際開発における進化」と題して、約1千500人の一般聴衆とともに白熱した議論が交わされた。まず、城内実外務副大臣が英語でスピーチした。「日本がOAD(政府開発援助)を開始したのは、第2次世界大戦からの復興期にあった1954年のこと。日本の開発援助の理念は『開発途上国の自助努力を支援する』というものだ。ただ単にお金や物を提供するだけではなく、経験や知識、教訓、パートナーシップの精神の共有化を図り、それによって途上国が自立できるように手助けする。安倍首相は良質なインフラ開発のため、アジアで今後5年間にわたっておよそ1千100億ドルを投資することを発表した」
1990年代にODAで世界最大の援助供与国だった日本だが、ODA予算は下がってきており、現在はアメリカ、イギリス、ドイツ、フランスに次いで第5位となっている。
WSD総裁の半田氏は、それでも日本の貢献度を高く評価した。「援助金額で日本は5位というが、ゴルフと一緒でグロスとネットがある。貸付して返済してもらった金額を引いたら5位だが、全体のグロスでは今でも日本が世界一だ。貸付の多い日本の援助は『紐付き融資で良くない』というが、必ずしも悪いことではない。ある程度金利を取るので、融資された国は計画的にお金を使って返済していく。無償援助には、有効的にお金を使うという計画性を持たなくなるという欠点がある。そして金額も貸付の方が一ケタ多いのだ」
会議では、世界人口の50%にあたる約35億人が25歳以下の若者であることから、若い世代に積極的に政治参加が求められていることが強調された。IPUのチョードリー議長によれば「5億人が1日2ドル未満、5千万人が1日1ドル未満で生活している」といい、今後100年先を見据えた開発協力のあり方を説いた。
チェンゴン事務総長は新時代の開発協力のキーワードとして、「パートナーシップ」と「連帯」を挙げた。支援、非支援という二者択一の理念ではなく、パートナーシップに基づいてお互いが連携することで、「持続可能な開発」をもたらすことができる。
水を汲んだ帰り道でレイプも
安倍政権は今年2月、ODA大網に代えて新たに「開発協力大網」を閣議決定した。そこにはたんなる援助という発想ではなく、途上国との対等なパートナーシップに基づいた協力関係という理念があった。
パネルディスカッションでは、カンボジア、フィリピン、南アフリカ、ギリシャ、ジンバブエ、モロッコなど、さまざまな国の国会議員らが発言。主催者側の計らいで、忍者の衣装を身に纏ったスタッフが、長いポールに取り付けたマイクを外国人にそっと差し出す演出も、会場の笑いを誘い、世界の声が集まった。
西アフリカのシエラレオネ共和国の女性議員からはこんな話も出た。「エボラ出血熱で多くの人が亡くなったが、医療施設不足で水が足りない。女性たちは遠くまで水を汲みにいかなければならないが、その帰り道でレイプされることもある・・」
日本からは平沢勝栄衆議院議員が、次のエピソードを披露した。「警察の運営ノウハウも、ODAで外国に供与している。たとえば交番制度をシンガポールやメキシコなどに輸出して、『KOBAN』は『カラオケ』と同じように世界の共通語になった。各地域で犯罪が起こらないようにするというのが、日本の治安維持の原点だ。そして『KOBAN』の輸出先で犯罪発生率が下がったという結果が出ている」
今回のサミットについては安倍晋三首相も「世界中からご参集の次世代を担う列国議会同盟加盟の若手議員の皆様に、大いに期待します。このような機会を設けられたWSDの半田総裁、IPUのセイバー・チョードリー議長、世界中からお集まりの皆様のご尽力に深い敬意を表します」とメッセージを贈った。
半田氏は「国際平和や国際協力に関してIPUは無限の可能性を秘めている。平和と開発をドッキングさせるためにも、WSDは今後も無償でIPUと連携していきたい」と締めくくったが、民間の力でもこれだけのことができるのだ。
THEMIS 2015年 7月号誌面より