
プラシド・ドミンゴが音楽監督を務めた第4回東京国際コンサートの曲目

今回の第4回東京国際コンサートでは、ミカエラ・エステさんもとても素敵でした。ドミンゴと二人で歌っているものが動画にありますので、見てみたいと思います。
まず最初の動画では、ドミンゴが「魅惑の宵」を歌います。深見東州先生も得意とされる歌ですね。そして、二人でミュージカル「ウェストサイドストーリー」から、名曲「トゥナイト」を熱唱します。
この2曲は、今回の東京国際コンサートでも、そのまま同じように歌ってくれました。ミカエラさんはこの動画のようにとても素敵な方でした。ドミンゴもセクシーに歌いました。
今回の東京フォーラムでの公演では、歌う感じを少し変えていたように思います。さらに良かったと思います。
次の動画になると、まず最初に「ベサメ・ムーチョ」を歌っています。深見東州先生もよく歌われる曲ですが、東京国際コンサートではアンコールで歌いました。観客のみんなも一緒に歌いました。最後はドミンゴが、ハイトーンで決めていました。
次に歌う「グラナダ」も、アンコールで歌いました。しかしこの年齢で、これだけ響きある澄み切った声を出せるというのが、素晴らしすぎますね。普通なら、とっくに引退していてもおかしくない年齢なんですがね。
さらに次は、リチャード・ロジャースとオスカー・ハマースタインのミュージカル「回転木馬」から「If I loved you」を歌ってますが、素敵な二人の女性に囲まれて、ドミンゴの仕草が面白いですね。こんな感じなので、いつまでも若々しい魅力的な声を保てるのでしょうか?
そして次の「Non Ti Scordar Di Me (忘れな草)」は、今回のコンサートでは、やはりアンコールのラストで、4人全員で歌っていました。
さらに三つ目の動画を見てみます。これも東京国際コンサートで、同じようにドミンゴとミカエラ・エステさんの二人で歌いました。ミュージカル「メリーウィドウ」から「Lippen schgweigen」ですね。ミュージカルの名曲にのって、当日もこのように二人でダンスをして、大変盛り上がった素敵なステージになりました。
それでは今回の東京国際コンサートで歌った曲を順番に紹介していきます。第一部では人気オベラのアリアや二重唱を歌います。一曲目は、深見東州先生とミカエラ・エステさんによる、モーツァルトのオペラ「ドン・ジョバンニ」からの「お手をどうぞ」で始まりました。深見東州先生の持ち歌の一つですが、颯爽と二人が手を取り合い、美しい歌声のデュエットを披露してくれました。
深見東州先生の声は、テノールに近い声質なのかなと、この歌を聴いて思いました。テノールの領域も歌える幅広いレンジをお持ちですね。その後は「帰れソレント」や、「オーソレミオ」というカンツォーネを披露し、喝采を浴びました。
その後プラシド・ドミンゴが登場します。まずは「アンドレア・シェニエ」からのアリア「国を裏切るもの」を重厚に歌いました。このアリアは、元コワニー家の召使ジェラールが、フランス革命によって革命政府の高官となり、昔から想いを寄せていたコワニー家の令嬢マッダレーナの気をひくために、マッダレーナの愛する詩人アンドレアを捕らえ告発するときの歌です。
そのときに「自分はかつて奴隷だったが、今でも暴虐に仕える奴隷に過ぎない」と苦悶しつつも革命の理想を歌う、力強くも複雑な心境のアリアになっています。バリトンの役でしたが、とても感動しました。
次は、ヴァージニア・トーラさんが歌う、プッチーニの「トスカ」からアリア「歌に生き、恋に生き」です。自身にふりかかる過酷な運命を神に祈る、悲しくも胸に迫る歌です。このヴァージニア・トーラさんはラテン系の歌手で、プラシド・ドミンゴと、サルスエラのコンサートで世界を回っているそうです。
サルスエラとはスペインで上演されていた伝統的な歌劇で、スペイン版オベラという感じでしょうか。ヴァージニア・トーラさんは、とてもすばらしい歌声を聴かせてくれました。
そして、ヴェルディの「ラ・トラヴィアータ」から「天使のような娘を授かって」をドミンゴとミカエラ・エステさんが歌いました。これはアルフレードの父親のジェルモンが、高級娼婦であるヴィオレッタに、息子と別れてくれと懇願するところの有名な歌ですね。深見東州先生もよく歌われる曲で、僕も大好きなアリアの一つです。
ヴィオレッタの、我が息子アルフレードへの愛の深さに気がつきながらも、このままでは実の娘の結婚話が壊れてしまうという状況でした。娘を愛す父親が、ヴィオレッタとの苦しいやりとりの中で、互いの気持ちが張り裂けんばかりに伝わってくる歌ですね。それを素晴らしい歌唱と演技で見せてくれました。
もう一曲、ヴェルディの「イル・トロヴァトーレ」から「わかったか この涙をごらんください」を今度はヴァージニア・トーラさんとドミンゴが歌います。
レオノーラがルーナ伯爵に、愛するマンリーコを解放してほしいと懇願しますが、ルーナ伯爵は恋敵でもあるマンリーコを許さず、それなら引き換えに自分の体を捧げるとレオノーラが言うと、ルーナ伯爵は喜びマンリーコを解放することを約束するというシーンの二重唱です。激しい感情のこもるやりとりが聴きどころの曲で、これも良かったですね。

音楽誌に掲載された東京国際コンサートのレビュー
ここからは追記になります。この東京国際コンサートの記事が、「MOSTLY CLASSIC」(モーストリー・クラシック)11月号掲載されました。そちらから紹介したいと思います。
第4回東京国際コンサートが東京国際フォーラムで開催
オペラからミュージカルまで歌ったドミンゴが観客を魅了。深見東州、ドミンゴら4重唱で「ふるさと」を熱唱
世界芸術文化振興協会と東京芸術財団が共催する「第4回東京国際コンサート プラシド・ドミンゴと、深見東州と、仲間たち!!」 が8月26日、東京・丸の内の東京国際フォーラムホールAで行われた。かつての三大テノールの1人で今はバリトンのドミンゴが出演するとあって会場は5000人の聴衆で満員、その美声に酔いしれた一夜だった。
同コンサートの第1回は、2013年9月、キリ・テ・カナワを主賓に開催された。第2回は昨年7月。アメリカのディーヴァ、ルネ・フレミングが新国立劇場オペラパレスで、美しくチャーミン グな歌声を聴かせた。そして、今 年6月にドミンゴと同じく三大テノールの1人、ホセ・カレーラスを招聘して第3回が開催されたばかり。
パンフレットでドミンゴのことを「何よりもあったかいハートの親日家です。 忘れもしない、あの東日本大震災と津波、原発事故が起きた直後、多くのアーティストは、公演をキャンセルしました。しかし、ドミンゴは約束通り来日し、『ふるさと』を最後に 歌いました。そういう人間性の持ち主がプラシド・ドミンゴなのです」と紹介している。
今回はドミンゴ自身がプロデュースと音楽監督を務めた。東京国際コンサートはこれまで抽選で入場できたが、ドミンゴの希望でチャリティー公演となった。出演は2人のほか、ソプラノのヴァージニア・トーラとミカエラ・エステ。指揮はユージン・コーン。 管弦楽は東京フィル。
コンサート第1部は、深見とエステのモーツァルト「ドン・ジョ ヴァンニ」より「お手をどうぞ」で始まった。 そして、深見十八番 のナポリ民謡「帰れ、ソレントへ」、 「オー・ソレ・ミオ」と続いた。
そして、ドミンゴが登場すると万雷の拍手。ジョルダーノ「アンドレア・シェニエ」より「国を裏切るもの」を歌い出した。74歳とは思えない声の伸び。「口づけと抱擁ですべての人を愛するのだ」。歌いながら手を広げ、ステージの上を動く。衣装を着てい るわけでもないのに、オペラの世界に引き込まれる。
圧巻だったのは「トラヴィアータ」第2幕5場のシーン後半を、 ドミンゴ (ジェルモン) とエステ (トラヴィアータ) ですべて歌ったこと。ジェルモンは、娘の結婚のために息子アルフレードと別れてくれとトラヴィアータに頼 み、「天使のような娘を授かっ て」と歌い始める。「しばらくの間、アルフレードと別れていましょう」と答えるヴィオレッタ。 「お幸せに、さようなら」とジェルモンがトラヴィアータの左手に キスをして別れる最後の切なさ。 眼前で悲劇のドラマが繰り広げられているかのようで、観客は聴き入るほかはなかった。
第2部は、一転してミュージカル・メロディー。 ドミンゴの「魅惑の宵」(「南太平洋」)、トーラの「一晩中踊り明かそう」 (「マイ・フェア・レディ」)、エステが歌う「虹の彼方へ」(「オズの魔法使い」)と会場をわかせる。ドミンゴとトーラが手をつないで登場し歌ったのは「ウエス ト・サイド・ストーリー」の「トゥナイト」。「君の他には何もない」「この世はあなたと私だけ」 と歌う2人は、何ともロマンチッ ク。その後はオペレッタ、最後はドミンゴの故郷スペインのオペラ、サルスエラで2部の幕を閉じた。
この後のアンコールがぜいたくなものだった。ドミンゴが「ベサメ・ムーチョ」を歌い、エステが「わたしのお父さん」。客席からブラボーが飛び、スタンディングで大盛り上がり。「ふるさと」を深見、ドミンゴ、エステ、トーラの四重唱で歌い、会場は何とも幸せな気分に包まれた。
「MOSTLY CLASSIC」2015年11月号誌面より