
アンジェラ・ゲオルギューと共演、第5回「東京国際コンサート」

アンジェラ・ゲオルギューは、舞台女優がオペラを歌ってるような、素晴らしい魅力的な歌手でした。
この日会場の人たち全員、可憐な乙女のような可愛らしさと、大人の女性の艶やかな魅力をふりまきながら歌うゲオルギューの虜になったのではないかと思います。

魅力的で情熱的なステージに
初めから最後のアンコールまで、片時も目が離せませんでした。2曲目くらいから全開で歌っていたように感じます。いつもそうなのかどうか知りませんが、前半からすでにハイテンションだったように感じました。
全身で表現しながら、歌声は繊細な響きを持って耳に心地よく、ゲオルギューの歌の世界がたちまち満員の観客を包んでいきました。
ブラボーの声と、スタンディングして拍手を送るシーンが続きました。これだけのステージを観せられたらそうなるでしょう。想像を上回る情熱的なステージを、見せてくれました。
歌は生ものですから、コンサートの始まる前は、いつも多少の不安はありますが、今回も大成功に終わったと思います。過去の全てを見たわけではありませんが、過去最高に良かったように思いました。
深見東州先生と共演すると、共演するゲストの大物歌手たちも不思議なほど気分良く歌っているように見えます。結果として最高のステージだったね、となるのでしょう。
世界のトップクラスの歌手でも、歌う前は不安もあるでしょうし緊張もしますよね。本番前は気むづかしくなる歌手も多いと聞きます。
そのように毎回ベストが出せるとは限らない中で、ここ最近で最も良かったコンサートだったと、深見東州先生と共演したときのホセ・カレーラスや、ピーター・セテラの関係者が言っていたと聞きました。
今回はどうだったのか聞いてませんが、おそらく、最高に近いステージだったのではないでしょうか。

深見東州先生は、第1部で14曲歌いました。途中、木村裕平氏のピアノソロだけの曲も2曲ありました。
アンジェラ・ゲオルギューは、ドラマチックに全身で歌うオペラを見てるようでした。深見東州先生は得意のトークを封印し、ゲオルギューとは好対照に、比較的淡々とした感じで歌われていました。
特に日本歌曲においては、しっとりと歌い上げ、最小限度の仕草で日本的情緒を表現されていました。日本歌曲では、いつも日本語を大事に歌われていますね。
日本の古き良き風景、暖かい風情が見えるような、そんな歌唱力をお持ちです。これは、歌手なら誰でも歌えるわけではないと思います。深見東州先生の歌心の素晴らしさのなせるわざだと思っています。
最高に盛り上がったフィナーレ

ゲオルギューは第2部から登場します。ピアニストのアレクサンドル・ペトロビッチ氏にエスコートされ、最初は薄いブルーのロングドレスの出で立ちでした。
ジョヴァンニ・パイジエッロが作曲したオペラ『美しい水車小屋の娘』のなかのアリア『もはや私の心には感じない』、ベッリーニ歌曲『メランコリーやさしい妖精よ』、ドニゼッティ歌曲『私は家を建てたい』、フロトー『夏の名残のばら』と続けて歌いました。
途中、衣装をオレンジ系のイブニングドレスに召し替え、華やかさがいっそう引き立っていました。
ジェローム・カーンの『君はわがすべて』、レオンカヴァッロの『マッティナータ』、『サンタルチア』など、有名なアリア、歌曲、ミュージカル曲を中心に十数曲を熱唱しました。
ミミや、トスカ役のアリアなども聞きたかったのですが、今回の公演は日本でよく知られた曲中心の選曲だったのでしょう。それでも、十分に満足しました。
アンコールでは、オペラ『ジャンニ・スキッキ』から『私のお父さん』、ミュージカル『マイ・フェア・レディ』から『踊り明かそう』を歌い、ここでフィナーレかと思うくらい盛り上がりました。

さらにそこから深見東州先生が舞台に登場されます。オペレッタ『メリーウィドウ』から『唇は語らずとも』のワルツに乗って、二人で踊りはじめます。
嵐のような拍手の中、『勿忘草』の2曲を歌い、今度こそ本当に終演となりました。まだ、ずっと聴いていたいとみんな思っていたでしょうね。
それにしても深見東州先生の軽やかなエスコートとステップは、慣れたものでしたね。
今回の東京国際コンサートでは、いろんな国の言語の歌を聴けましたね。日本歌曲、イタリア歌曲を中心に、英語、ドイツ語、スペイン語、ロシア語、フランス語と、いろんな国の歌がありました。
複数の新聞に記事が載りましたので、とりあえず2つ紹介しておきます。


ゲオルギューの歌に関しては、その歌と演技による豊かな表現力の素晴らしさを讃える内容が多いですね。
世界の歌姫、ディーバと呼ばれるだけの、とっても華がある歌手でした。歌が上手いというだけではなく、見るものをステージにひきつける何かを持っていると思います。
20世紀最高のソプラノと評されたマリア・カラスと、そのカラスと人気を二分していたソプラノのレナータ・テバルディの、いいところを併せ持つソプラノと評されているそうです。
それから、最後に深見東州先生と二人で歌われたシーンが、メディアの目にも楽しく素晴らしいものに映っていたようですね。どの記事でも好評でした。
深見東州先生は、相手が大物であればあるほど、それに合わせるように素晴らしいものを見せてくださる方だなと思います。
今回も、思いがけない展開があったり、その場のノリで舞台が進んでるように感じました。メリーウィドウ・ワルツを2度歌われたのも、そうなのでしょう。
ゲオルギューも快く受けて、さらに盛り上がりました。お二人とも、あくまでも聴衆が楽しんでくれることだけを思って舞台を盛り上げていかれていたように感じました。
音楽誌に掲載された東京国際コンサートのレビュー
ここからは、追記になります。「MOSTLY CLASSIC」10月号に東京国際コンサートの記事が掲載されました。そちらを紹介したいと思います。
第5回東京国際コンサート (主催・世界芸術文化振興協会)
ゲストは世界のディーヴァ、アンジェラ・ゲオルギュー世界芸術文化振興協会(IFAC)が主催する第5回東京国際コンサートが、 7月27日、新国立劇場オペラパレスで行われた。今回のゲストはルーマニア出身のソプラノ、アンジェラ・ゲオルギュー。 IFAC会長の深見東州のバリトンと世界のディーヴァ、ゲオルギューの3時間にわたるステージを、満員の観客はたっぷりと堪能した。
「自由な気持ちでイタリア歌曲、日本歌曲を歌います」と深見、 アンコールはゲオルギューと深見のデュエットで大盛況深見はプログラムに「西洋音楽やイタリア歌曲を、まじめに固く考えて敬い、崇拝する日本人の姿勢に違和感を感じます。 上品ぶらずに楽しみ、イタリア人のように、 もっと自由に歌うべきです。また聴衆も、歌舞伎や演歌、民謡を聞くように、もっとリラックスして楽しむべきです。今宵は音楽や歌を差別せず、自由な気持ちでイタリア歌曲を歌い、日本歌曲を歌い、カンツォーネや英語の歌を歌います」と記した。
コンサート第1部の深見のプログラムは、この強い思いを反映した作品が並べられた。 1曲目はモーツァルトのオペラ「ドン・ジョヴァンニ」より「ドン・ジョヴァンニのセレナード」、続いてナポリ民謡のラブソング 「彼女に告げてよ」、3曲目はメキシコ生まれの世界的な大ヒット曲「ベサメ・ムーチョ」、 そして映画「美女と野獣」より「美女と野獣」。ジャンルをクロスオーバーして、観客の心に届く歌を選択した結果だろう。
深見のステージの後半は、日本歌曲で通した。春の「早春賦」と「おぼろ月夜」、夏の 「夏は来ぬ」と「夏の思い出」、秋の「赤とん ぼ」、冬の「雪の降る街を」と歌い継ぐ。 深見の温かい声と歌で、観客は客席にいながら春夏秋冬を感じることができた。ピアノは木村裕平。
第2部はゲオルギューのリサイタル。ゲオルギューは1994年、ロンドンのロイヤル・オペラにおける「椿姫」ヴィオレッタが大成功を収め、一躍世界に躍り出た。この9月はベルリン州立歌劇場でトスカを歌うなど世界中の歌劇場でひっぱりだこのディーヴァだ。
ゲオルギューといえば、歌手の中でもおしゃれなことで知られている。この日の最初の衣装は、薄い水色の裾をひくドレスで観客を魅了した。1曲目の、イタリアのオペラ作曲家パイジェッロ 「もはや私の心には感じない」で観 客の心をぐっとつかむ。続いて、愛の喜びを歌い上げるベッリーニの歌曲「メランコリ ー、やさしい妖精よ」、ドニゼッティ「私は家を建てたい」とイタリアのベルカントも のを続けた。何よりもゲオルギューの透明感ある美しい声が映える。そしてよく知ら れた「夏の名残のばら」は情感たっぷりに表情をつけ、しっとりとした声で歌い終わる と、観客席はスタンディング・オーベーシヨンで応えた。
歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」の間奏曲をはさみ、シューベルトの「セレナー
デ」、次にマスネの中では最も有名な歌曲 「エレジー」。「恋人よ、おまえは行ってしまった」と嘆く歌詞に、甘いメロディーが溶けるよう。聴衆は消え入るようなピアニッシモに聴きほれる。ピアノ伴奏はバリトン歌手でもあるというアレクサンドル・ペトロビッチ。歌手の生理を知り尽くしており、声と一体となったピアノが素晴らしい。後 半に聴かせたラフマニノフの「間奏曲」でも彼の仕事は一流だった。後半、ゲオルギューが着替えたドレスは、鮮やかなオレンジ色が目に映える。袖が腕 のところから着物の振り袖のように垂れ下がる独特のデザイン。歌う際には、笑顔がこぼれ、感情とともに自然に腕を大きく広げる仕草も魅力的。スタンディング・オーベーションには投げキッスで応えていた。
最後はジェローム・カーン作曲、オスカー・ハマースタイン2世作詞のスタンダードナ ンバー「君はわがすべて」。12曲を歌い切ったゲオルギューに盛大な拍手が贈られた。
アンコール1曲目は、プッチーニ「ジャンニ・スキッキ」より「私のお父さん」。深見が登場し、ゲオルギューとハグし、「とざした唇に (メリー・ウィドウ・ワルツ)」をデュエット。2人でワルツを踊る姿に会場は沸いた。「勿忘草」で、3時間の楽しいステージは幕を閉じた。
「MOSTLY CLASSIC」2016年10月号誌面より