
ビル・クリントン元米国大統領来日、第2回世界オピニオンリーダーズサミット開催

ビル・クリントン、コリン・パウエルが登場
11月16日、千葉の舞浜アンフィシアターで、世界オピニオンリーダーズサミットが開催されました。今回はビル・クリントン元米国大統領がメインゲストです。さらにコリン・パウエル元米国務長官も来日しました。超豪華な顔ぶれによる開催でした。
迎える日本は、自民党現職の町村信孝衆議院議員を筆頭に、小池百合子氏、伊藤憲一氏、藤崎一郎氏が参加する予定でしたが、町村信孝衆議院議員だけは、時間に間に合わず参加できませんでした。
米国からは、ジェイムズ・アンドリュー・ケリー元米国務次官補、ラルフ・コッサ・パシフィックフォーラムCSIS理事長も参加しました。外務省、防衛省、アメリカ合衆国大使館も後援し、日米オピニオンリーダーによる講演と、熱い議論が行われました。
その世界オピニオンリーダーズサミットのことがスポーツ紙で報道されましたので、後ほど紹介します。前回、トニー・ブレア英国元首相が参加したサミットよりも取り上げるメディアが増え、さらに大きく報道されていました。
ところでビル・クリントン元米国大統領、コリン・パウエル元国務長官といえば、アメリカに勢いがあった90年代前後の頃の優れた指導者という印象があります。日本にとっては厳しい時代ではありましたが。
ふだん、テレビで見る遠い存在だった米国大統領を目の前でみたためか、かなり緊張し、武者震いするほどでした。
主催者である深見東州先生(半田晴久WSD総裁)は、いつもと変わらないリラックスした雰囲気で、ジョークを交えながらモデレーターを務められました。相手がどんなに有名な大物でも、失礼のないよう敬意は払われますが、特別変わらない態度でいつも接せられます。その方が、相手も胸筋を開いて、かえって信用されるようです。
その余裕ある姿を見ると、こちらまで落ち着きました。当日はお話の内容が濃く、難しい言葉もあり、通訳も大変そうに見えました。できればもう一度、ゆっくり見たいと思いました。もちろん、それは無理なことですが。
それでも、いくつかの新聞に内容が書かれていたので助かりますね。そこから少し紹介していきます。

新聞記事の報道を掲載
クリントン元大統領語る。日本のあるべき姿
NPO法人世界開発協力機構(WSD)主催の「世界オピニオンリーダーズサミット」(後援: 外務省、防衛省、米国大使館など)が、16日、ビル・クリントン元米国大統領(67)、コリン・パウエル元米国務長官(76)らを招いて千葉県浦安市の舞浜アンフィシアターで開催された。両氏のほかに、小池百合子元防衛相(61)ら、知名度と発信力の高い各界のオピニオンリーダーが集結。深見東州ことWSDの半田晴久総裁(62)がモデレーター(司会進行役)を務め、世界平和に貢献する熱き議論を5時間半にわたって行った。
元職とはいえ、これが世界一の権力者である。米国大統領の威光なのだろう。トータルメインゲストであるビル・クリントン氏が登壇すると、電飾の光度が上がったかのように会場が華やいだ。クリントン氏は舞台中央に置かれたソファに半田総裁と並んで座り、リラックスした雰囲気でテーマである「世界における今後の日本の役割」について話し始めた。
まずは、クリントン氏が少年時代を酒癖の悪い継父に育てられたというショッキングな内容が披露された。「人間をくじけさせるのは、昨日と同じと考えること。明日に希望を持たせないこと。」と未来に希望を持つことの重要性を説き、ポジティブシンキングが大統領誕生の根底にあったことを明かした。
大統領在任中は、財政の支出と収入を等しくする均衝財政を目指し、巨額の財政赤字を解消。2000年には2300億ドルの財政黒字を達成した。クリントノミクスと呼ばれた経済政策である。また、「情報スーパーハイウェー構想」を推進し、IT産業の育成とIT化による生産性向上(ニューエコノミー)を推し進めるなどして、2200万人の雇用を創出。米国史上最長の経済発展に導き、現在も「平和と好景気時代の大統領」として、その人気は絶大である。
そうしたクリントン氏の実績に敬意を表した上で、半田総裁が今後の日本へのアドバイスを求めたところ、高齢化にともなう人口および労働力低下を補うために、①移民を受け入れる②女性の労働の貢献率アップ③若者の雇用創出ーといった3点を列挙。移民を受け入れると「国内総生産が16%上がる」などと具体的な数字も挙げた。
一方で安倍晋三首相には「反対勢力の抵抗を覚悟しないといけない。現状維持の人の方が多いが、忍耐力を持ってやること」と助言した。オバマ大統領には、苦戦を強いられている「医療保険改革」について「やっていることはいいこと。「過剰に反応せず、冷静にやっていたら、いい結果が出てくる」と民主党の後輩に、焦りは禁物のシグナルを送った。
現在はNGO団体の「ビル・ヒラリー・アンド・チェルシー・クリントン財団」を運営。貧困地域の医療、経済などの促進を側面から支援している。その手腕はまだまだ健在だ。最後にクリントン氏は、「クリントン財団」の公認パートナーを務める半田氏について「半田氏の貢献には感謝している」と笑顔で述べた。
サンケイスポーツ2013年11月18日付紙面より
パウエル元米国国務長官、理想のリーダー像
かつて米国全軍を率い、難敵相手に外交交渉を積み重ねてきたコリン・パウエル氏は基調講演で「より良き日米関係とリーダーシップ」について持論を展開した。
まずリーダーとしての素養は生い立ちの中で育ったことを披露した。パウエル氏はジャマイカ移民の子としてニューヨークのハーレムで生まれ、サウス・ブロンクスで育った。「等しく貧しい環境の中で、誰とでもうまくやることが重要であることを学んだ」という。
続いて21歳で陸軍少尉として入隊し、追従する人(部下)たちに、明確な目的意識を持たせることで、能力を最大限引き出すことを学んだ。その結果、リーダーは「部下を信用し、権限委譲すること」と定義付けた。もちろん、そのためには①有能な人材を集める②相手は何を欲し、何を考えているのか。相手の立場に立つ③謙虚さの必要性ーなどアンテナを張り巡らし、感じ取ることを提言した。
パネルディスカッションにパネリストとして参加した小池百合子氏はパウエル氏の主張に同意しつつ女性のリーダーシップについて言及。「日本は素晴らしい女性のパワーとエネルギーを活用していない。これはもったいない」と発言。これにはパウエル氏も「男女が同じ機会を与えられるべき」と小池氏と意見を共有した。
サンケイスポーツ2013年11月18日付紙面より
国家安全保障会議に言及。半田総裁、町村衆議院議員の考え代弁
「日米関係とアジアの安全保障」について基調講演をするはずだった町村氏はこの日、出張先の北海道で利用した乗用車が渋滞に巻き込まれたため、急遽キャンセル。代わって、半田晴久WSD総裁が町村氏の主張、考えを代弁した。
半田総裁は「日米同盟は夜の海を照らす灯台のような公共財である」と述べ、アジアの安全保障の基軸であることを説明。一方で、中国は経済で台頭し軍事を増強、北朝鮮は暴発の危険性があることから、今後は基軸である日米同盟にインド、豪州、フィリピンなどを加えた2軸3軸の構造が必要と話した。こうしたアジアおよび世界情勢の変化にともない、日本が安全保障において重大な脅威に直面した際に、外交交渉による解決か、力を行使するかを決断する組織である「国家安全保障会議」(日本版NSC)設置に言及。半田総裁は「NSC成立に最も積極的だったのが町村さんだった」と紹介した。
またNSCが安全保障に関わることから、特定秘密保護法が必要になること。さらに自国の同盟国が武力攻撃を受けたとき、自国が攻撃されたとみなして反撃できる権利である「集団的自衛権」にも触れた。日本は憲法9条に照らして「自衛のための必要最小限の範囲を超える」と解釈しているが、半田総裁は解釈をめぐる議論の必要性を説いた。
サンケイスポーツ2013年11月18日付紙面より

「世界における今後の日本の役割」について
半田総裁が、今回の会談のメインテーマである「世界における今後の日本の役割」についてクリントン氏に質問すると、クリントン氏は、日本とのパートナーシップは大変重要と考えていると即答。「アベノミクス」に対しては、「日本の大きなチャレンジ」と評価しながらも、日本のさらなる発展のためには、女性の労働市場の拡大と「国の宝である若者が海外を経験し、世界に参画するための準備」が必要であると指摘した。
クリントン氏は、大統領退任後にクリントン財団を設立し、発展途上国の経済成長のサポートやエイズ撲滅などの保険改善など、国際的な支援活動を実施しており、「半田先生のやっている活動は(国際社会にとって)本当に重要な役割を果たしている」とWSDの活動を賞賛。また「我々はグローバルなネットワークづくりが大切。寄せられた善意でどのようにプラスの変化をもたらすか、HOW(どうやって)、が問題だと思います」と、支援の仕方にも工夫が必要であると話した。
また、国際社会において日本の果たすべき役割について聞かれると、「世界には国家間の問題を軍事で解決する方がよいとする人も多いが、平和を希求する日本を尊敬しています。どのように(政策が)変化しても、その原則だけは曲げないでください」とエールを送った。
今回のサミットで、クリントン氏と平和や国際支援に対する互いの思いを確認し合った半田総裁。「40年後もこのような素晴らしい活動を続けて行きたいですね」とクリントン氏に呼びかけると、「私の体のパーツをたくさんクローン化しておいてくれないと、106歳まではムリだよ」と返され、会場は笑いに包まれた。この日サミットを訪れた2000名を超える来場者たちは、半田総裁のジョークを交えた軽妙な話ぶりに助けられ、日米の要人が交わした難関な国際問題について理解を深めていた。
スポーツ報知 2013年11月18日付紙面より
日米安保の重要性を再確認
日本国際フォーラム理事長の伊藤憲一氏は「消極的平和主義」とは、自国のみの安定を図る「一国平和主義」のこと。アメリカの行動を理解し、連携をとる「積極的平和主義」が必要。元国務次官補のジェイムズ・アンドリュー・ケリー氏は「アメリカの国民は、海外派兵に飽き飽きしている。しかし2001年の同時多発テロのことは忘れられておらず、世界には危険があるということもまた理解している」と、アメリカ人の国防に対する意識の高さについ語った。
半田総裁は「日米同盟を基軸にした、インド、ベトナム、フィリピン、豪州という枠組みでアジア・太平洋の安全保障を考え、時代の変革に対応していくことが平和的で理想のカタチではないでしょうか」と、国際平和のために必要な「新たな連携」に対する思いを明かした。
スポーツ報知 2013年11月18日付紙面より
クリントン米大統領提言
現在の安倍政権へ向け、「私は彼が取り組んでいる議題については、基本的には賛成です。ただそれを貫くにはかなりの抵抗は覚悟しなければならない」と、日本のリーダーとしてブレない姿勢を貫くことをアドバイス。その上で「一部の人たちは、これはダメ、あれはダメと言ってくる。現状維持を求める人が多いからね。でもそこは忍耐力を持って、強力に、しかし謙虚に課題に取り組んでほしい。」と訴えた。具体的には経済をもっと成長させること、女性の労働市場の拡大と確保、そして若者へ夢や希望を抱かせることを提案。「若者にはもっともっと語りかけてほしい。留学などをしていつでも世界へ飛び出していける準備をしておこうと伝えるべきです」と、国内にとどまりがちな若者へ、もっと世界へ飛び出したくなるような文化を作り出すことも重要だと訴えた。
デイリースポーツ 2013年11月18日付紙面より
話の中心はリーダー論について。軍事と外交のトップとして長い間多くの人間と接してきたパウエル氏だが、リーダーシップを取る上で最も必要なことは「部下へ目的を持たせること」と断言する。国務長官時代、オフィスから帰るとき、部屋に来る清掃員と必ず話をしたという。「私と話すことで、彼らは私のオフィスにさまざまな人が訪れることを知る。そうすると、清掃員たちは、お客様たちに国務長官の部屋はとても美しい場所だと思ってもらいたい、という目的を持つようになり、一生懸命仕事に取り組むようになります」。また、部下に権限を与えることも大切だという。「人は信用されていると思うと力を発揮するもの」と訴えた。
対してモデレーターの半田氏は、パウエル氏の話に感銘を受け「軍隊や大きな組織では全くその通り」と同調しつつも、経営者の目線から「中小企業は95%までリーダーが責任を負わないと会社がつぶれてしまう。社員には社長の10分の1も伝わっていない。訴え続けることが大切」と、大組織とは違った独自のリーダー論で議論を深めた。
デイリースポーツ 2013年11月18日付紙面より
大統領の任期中に国家の赤字を黒字に転換したクリントン氏は、「日本の財政赤字はGDPの2倍もあり先進国で最大。しかしそのほとんどはインフラに投資されている。それは30年たったら大きな果実として返ってくるでしょう。」と楽観的に話した。
中国や韓国との懸念を抱える日本の現状についても「コントロールする努力を本当にしているでしょうか。とにかく問題に手をつけなくてはいけません。必要なことは、平和を守るための強い存在感です。これがあれば、国際的な外交の地位を得ることができるでしょう」と指摘した。さらに中国との付き合い方は「プラスマイナスではなく、相互にどういいことを共有するかと考えることが大切。そうすれば、意見の違いは乗り越えられると思います。日本のやることは山ほどあるでしょう」と語った。
最後に半田氏がクリントン氏にはあと40年は生きて素晴らしい活動を続けてほしい。私もしっかりサポートさせていただきたい」「ドーナツが好きで健康を害し、何回も手術をされましたが、食事制限をしてから以前よりもかえって元気になられた。」とエールを送ると、クリントン氏は笑いながら「半田先生の貢献に感謝しています。もし、生きているうちにあと一つだけしかできないとしたら、貧しい生活を強いられている人々に豊かになるチャンスを与えたい。そういう活動をしていきたい」と力強く語った。
東京スポーツ 2013年11月19日付紙面より
