
DPワールドツアー日本開催までの道のりと男子ゴルフ活性化

つい先日42歳で国内男子ツアーで優勝したばかりの谷原秀人プロが、また優勝しました。しかも最終戦の晴れ舞台で、43歳になって初の優勝でした。通算16勝目となり、永久シード25勝も狙えるとメディアに書かれていました。
谷原プロ本人は、DPワールドツアー(旧ヨーロピアンツアー)参戦を視野に入れ、海外への再チャレンジを狙っているそうです。国内で活躍するよりも、少しでも強く、上手くなるために海外に行きたいということなのでしょう。
ふつうは年齢を重ねることで己の限界を知り、この先厳しい環境に飛び込んでいくより、より楽な方で安定を求めることが多くなると思います。僕自身もそんな気持ちがあるので、この谷原プロの姿勢は励みになるし、素晴らしいと思いました。
12月6日(月)#スポーツ報知 の1面‼️#男子プロゴルフツアー#日本シリーズJTカップ#谷原秀人 が通算12アンダーで逃げ切って2016年日本プロ選手権に続くメジャー2勝目を達成‼️
— スポーツ報知東京販売局 (@hochi_hanbai) December 5, 2021
2位に #宮里優作
2020-21年シーズンが終了し、#チャン・キム が初の賞金王に輝いた pic.twitter.com/TE0l5JM4AJ
その谷原秀人プロがかつて参戦していたDPワールドツアー(旧ヨーロピアンツアー)は、米国PGAツアーに次ぐ世界ツアーですが、PGAツアーに比べると賞金額はかなり違いますね。なので世界のトップ選手の大半はPGAツアーをメインにしています。
ただ、DPワールドツアー(旧ヨーロピアンツアー)は、30カ国前後の国で開催されるため、毎回がナショナルフラッグのトーナメントといってもよいそうです。
各国間を飛び回るため、移動距離も長く、手続きも複雑になります。そういう意味で、PGAツアーよりも過酷な面があり、非常にタフな精神力が鍛えられるようです。
コース環境や気候も国によって大きく違いますし、言葉も違います。さまざまな変化に柔軟に対応できなければいけません。
移動に次ぐ移動の中で、普段から練習を積み重ねていくのも、なかなか大変なことだと思います。何よりも食事や宿泊など、個人の生活や体調管理も、日本にいる時よりも何倍もの苦労になるでしょう。
そんな環境で磨かれてきたDPワールドツアー(旧ヨーロピアンツアー)のプロたちですから、日本ではそれほど名前が知られてなくても、非常に高いレベルの技術とパワーを持っているそうです。特にパワーの違いは、ツアーに参戦して初めてわかるものがあるようです。
DPワールドツアー初開催(ISPS HANDA 欧州・日本どっちが勝つかトーナメント!)に高まる期待
そんなDPワールドツアーが来季から日本に来るわけですね。日本ツアーにいれば毎年2勝、3勝できたであろう谷原プロですが、3年間参戦して勝てなかったわけで、出場する日本のプロゴルファーにとっても、厳しい戦いになることが予想されます。
ただZOZOチャンピオンシップを、米国PGAツアー仕様のコースにしたような大掛かりな要求は、今回の会場となるPGM石岡ゴルフクラブにはしないという約束のようです。そうであれば、日本のプロにもチャンスがあるかもしれません。
いずれにしても、今回の開催決定は、DPワールドツアー(旧ヨーロピアンツアー)に参戦していたプロゴルファーからも画期的なことだと言われています。
また、ゴルフをよく知るジャーナリストからも歴史的な快挙であり、驚いたという声が上がっています。閉塞感が漂う日本男子ゴルフの現状に、一石を投じて、良い変化をもたらすことが期待されています。

半田晴久ISPS会長が交渉力を発揮
これまでは開催にこぎつけることができなかったDPワールドツアーが、初の開催に至った経緯については、半田晴久ISPS会長(深見東州先生)が、以下のように語らています。
「以前からヨーロッパツアーと共催してワールドランクの高い試合をやりたいと思っていました。今までどうして日本ではヨーロッパツアーとの共催ができなかったのかといえば、従来窓口になっていた日本側と先方が、お互いに納得できるまで議論を尽くすことができなかったからなんですよ。日本のやり方や考え方をなかなか理解してもらえなくて、結局、相手が日本とはやりたくないと思ってしまったんですね。そこで、ISPSならできるかもしれないということで、10ヶ月ほど前から準備し、何度も今季強く交渉を重ねて今回ようやく実現に至りました。」
キースペリー氏から話があったのが今年2月だったそうです。そこから11回に及ぶ交渉を通じてお互いが納得がいくまで議論したそうです。
半田晴久会長(深見東州先生)は、欧米人との交渉では、ビジネスにおいても、イベントにおいても、これまで何度も面倒で難しい交渉を成立させてきた実績があります。

欧米人との交渉について、話をされたことがありますが、相手の特徴や交渉のやり方を的確に研究されていることがよくわかりました。
相手のことを知らなければ、対等に交渉を進めることはできないし、結果まとまることもないと思いました。語学力が優れているとか、そういう問題ではなく、交渉力と熱意によって成立したのだろうと思います。
ここで欧米人相手の交渉術の内容には触れませんが、本当は外交官や政治家をはじめ、海外と交渉する企業の人たちにも、ぜひ知ってもらい、身につけてもらいたい内容でした。そのような交渉ができれば、日本の存在感も世界で大きくなり、日本人への理解も深まり、結果国益に貢献できると思います。
キース・ペリー氏は、「日本初開催にあたり、ISPS HANDA以上のパートナーは考えられませんでした」「半田晴久会長なくしては実現不可能なことでした」と言われていました。
そして、「半田会長はヨーロピアンツアーの名誉会員であり、ともに包摂性と多様性を尊重するという私たちと同じ価値観を共有しています」とのことでした。
スポーツやゴルフに関して同じ価値観を共有していても、日本のやりかた、日本の良さについては、相手側の言いなりになったり、決して引き下がらないのが深見東州先生です。
まだまだ来年4月の開催に向けて、保留になっている細かい部分については、粘り強く交渉を続けていくそうです。

JGTOの尽力と日本男子ゴルファーへの期待
それから今回の開催に当たっては、JGTOの尽力も大きかったそうです。4月21日からの開催日程は、すでに別な試合が決まっていたそうです。そこから各スポンサーや開催コースとの粘り強い交渉によって、2試合が繰り上がることになったそうです。
「青木会長、上田専務理事ほか、みなさんが何とか実現しようと一生懸命に努力されてできたことです。JGTOの皆さんと一緒に努力して勝ち取った、今までになかった快挙です」とのことです。
ちなみに青木会長は、この開催発表記者会見は、ビデオメッセージによる参加だったそうです。すでにトーナメントのプロアマに出る予定があったため、半田会長が配慮され、そちらを優先してくださいと言われたそうです。
今大会の開催の意義について、半田晴久会長(深見東州先生)は、「日本の才能ある若い選手が、日本だけでくすぶってしまうというのは何とももったいないじゃないですか。この大会が閉塞感のある日本の男子プロゴルフ界に、新しい可能性と未来を開く一つのきっかけになってくれればいいですね。私のいちばん大きな願望といえばそれに尽きます」ということでした。

ジャンボ尾崎は「これはビッグサプライズ。コロナ禍でみんな腰が引けている時に、前へ前へと進んでいける半田会長は大したもんだな。日本とヨーロッパを統合したトーナメントを日本で開催するなんて、ふつうはできないよ。今、日本の男子プロは世界から相当遅れている。がんばっているのは松山だけだ。日本でやる大会なら日本人にもチャンスはある。ここで勝って世界に羽ばたいていく第2の英樹が見たいな」と語っていました。

そして、今季2勝目をあげた国際スポーツ振興協会所属の谷原秀人プロは、「本当に素晴らしい。日本にとって快挙と言っていい。ヨーロピアンツアーはレベルが高い。ZOZOチャンピオンシップは日本ツアーから参加できるのは10人ほどですが、この大会は41人が出られるということなので、とてもいい刺激をもらえると思います。」と語りました。
この記者発表の後、冒頭にも書きましたが、谷原秀人プロは最終戦で見事に優勝しました。すでに良い刺激を受けて、海外再チャレンジに向けて火がついたのかもしれませんね。