
安倍元首相銃撃事件がもたらしたこと

安倍元首相が銃弾によって亡くなり、2週間が過ぎました。数日間はあまりの衝撃的な事件に呆然としていました。
これほどの喪失感を味わうとは、正直、自分でも驚きました。心のどこかで、安倍元首相に期待するものが、まだまだ大きかったのか、過去の実績を惜しむ気持ちからかはわかりませんが。
今はただ、安倍元首相のご冥福をお祈り申し上げたいと思います。

それにしても犯人の凶行への動機が、宗教団体への憎しみが高じた結果であることを、ことさら強調して報道していますけど、なにか嫌な気分でもあります。
というのも以前、オーム真理教がサリン事件を起こしたときは、新興宗教が十把一絡げのように扱われて嫌な思いをしたことがあったからです。
ふつうに良識のある方は区別しますので、そのようなことはないのですが、宗教に対する知識が全く無い人や、偏見を持っている人ほど、そのような傾向があったように思います。
すでにワールドメイト会員だった僕も、両親からはそのような目で見られたのを思い出しますね。その後は、わかってくれるようになりましたが。
今回の事件によって、再びそのようになるとは思いませんが、政治と宗教の関わりについては、非常に関心が高まっています。本当に正されなければならない部分が明確になると良いなと思っています。
政治と宗教の関わりについて
ワールドメイト会員の場合は、国政選挙において、ワールドメイトから投票先への指示がくるとか、あるいは選挙運動に動員されるとか、そのようなことは過去に一度もありません。
今回の事件が起きたことがきっかけで、宗教団体が選挙において動員したり、投票を固めたりする行為に対して、否定的な声も出ています。
ただ、それを規制するのは困難でしょうね。そんなことをすれば、企業や団体の組織票というもの全てを、否定しなければならないでしょうから。
それから政治家にとっては、宗教団体に対して、多少自分自身の信条と違っていたとしても、無碍にはできない選挙事情があるのでしょう。
相手を怒らせて対立候補に流れれば、大変なことになりますからね。それが現在の民主主義に基づく選挙事情でもあり、選挙に協力してくれる団体の、何らかの要望について、無視できなくなる所以でもあるのでしょうが。
自民党と宗教の関わりは
思えば1980年代後半、当時の僕は、まだワールドメイトのことを全く知らない時期でしたが、なぜ自民党と統一教会の関係が深いのだろうと、自分なりに調べたことがありました。
多くの人は知っていると思いますので、詳しくは書きませんが、背景には戦後の冷戦下の事情がありました。ソ連のコミンテルンが世界で暗躍し、アジア諸国も共産化される恐れがあるという時期でした。
1960年の安保闘争においては、ソ連は反政府派のデモ隊を支援していました。それらを抑えきれなくなった岸首相は、禁じ手の反社会的な団体まで動員し、これを抑え込んだと言われています。
そんな激しい安保闘争を経験し、再び1970年の改正を迎えるわけですが、日本の共産化を阻止するために、CIAの勧めによって反共主義を掲げる勝共連合を、1968年に日本に入れたのが、当時の岸前首相や笹川良一氏らと言われています。
その後は、いろいろな報道でも言われている通り、政治家の秘書に紛れ込んだり、選挙応援などで動員をかけたりと、政治家と協力する関係が築かれていったのでしょう。
旧統一教会に関しては、1980年代にはすでに社会問題になっていたので、疑問を感じて調べたわけですが、共産主義化を防ぐためだったということで理解しました。
皮肉なことに、当時の日本の左翼、革新勢力による暴力的なまでの活動が原因で、そのような結果を招いたことは否定できないと思ったことを覚えています。

その後のことはあくまで僕個人の推測ですが、1990年代からは、教団のことが大きく社会問題化したことや、冷戦が終わったこともあり、関係が薄れていったのではないかと思います。
ただ、2009年の政権交代で民主党が政権についた頃から、再び、保守層との関係が深まっていった可能性はあるのかもしれませんね。
安倍元首相は、できるだけ関係になることを避けていたという情報もありますけどね。完全に断つことはできなかったのでしょう。
ワールドメイトと政治家の関係とは
ワールドメイトも複数の党や政治家に対し、政治献金という法的な範囲内において、超党派で応援していることは知っています。
だからと言って政治家からワールドメイトに対し、見返りに何かをしてもらっていると感じたことは一度もありませんけどね。
同じように政治家も、ワールドメイトに組織的な選挙票は一切期待していないと思います。
なので、政治家を広告塔にするようなこともありません。僕も政治家の名前を、ワールドメイトでは意識したことすらありません。
おそらくワールドメイト会員の国会議員もいないと思いますし、僕の知る限りでは、深見東州先生と交流がある政治家のおかげで信者(会員)が増えたという話も全く聞きません。
ワールドメイトではない、深見東州先生が関係する組織においては、政治家が顧問や名誉会長などに就任しているケースがあります。別に隠し立てをする必要もないので、堂々と公表されています。
そのような政治家とは、応援の見返りとしてではなく、お互いの信頼関係ができて、組織の目的に対して理解をした上での就任なのでしょう。
政教分離はどこまで可能か
日本は政教分離の国と言われています。ただ、政治と宗教の関わりについては、これを徹底的に分離することは不可能に思えます。
そもそも政治家にも信仰する自由があります。また、宗教団体が、特定の政治家や政党を応援するのも自由であり、違法などではありません。企業や団体が、特定の政治家や政党の支持、支援に回るのと同じことですからね。
そしてワールドメイトはしませんが、政治家を応援をする組織は、その政治家の政策に期待するだけでなく、何らかの要望を叶えてくれることを求めてくる場合もあると思います。
それも議会制民主主義の実態でしょうからね。ただやりすぎると、批判され、問題になり、次の選挙に影響が出てくるでしょう。なので、あまり露骨なことは、以前よりやりにくくなっているのかも知れません。
そして、そのような現実から、宗教だけは切り離し、一切の関わりをなくすというのは、現実離れしているように見えます。
政教分離をあまり厳格にやりすぎると、歴史ある神社のお祭りでさえ、公共の場でできなくなるでしょう。
米国や欧州などで、政教分離をしっかりと打ち出している国の政権でも、バックに宗教組織がしっかりとついている政党もあります。
また、大半の米国大統領は聖書に手を当てて宣誓をしますが、それを政教分離に反しているとは言いません。それらが欧米における政教分離におけるスタンダードになっています。

いたずらに宗教は政治に一切関わるなと言うよりも、今回の衝撃的な事件を契機に、何が問題の本質なのかが明らかになり、どうすれば改善できるのか、じっくりと議論が進むのを願っています。
宗教団体の目的を見極める
政治と経済が切り離せないように、政治は、さまざまな分野に、大なり小なり関わるものであり、それは自然なことだと思います。
しかし宗教と政治が少しでも関わると、条件反射のように怪しいと言われますが、どのくらいの深さで、どの程度関わっているのかを知る必要があります。
さらに、その宗教がどのような目的で関わっているのかも大事で、それらを見極めることも必要だと思います。
政治を利用し教団が国家権力を握ろうとするのは言語道断です。さすがにそれは無理でしょうけどね。
あるいは政治を利用し、教団に大きな利益をもたらす目的であるとするなら、内容次第で政教分離にひっかかると思います。
一般的に宗教は、社会的に弱い立場や環境に置かれた人たちを救う目的を持っています。日本や世界が安定し、平和になることを願って活動しているところもあります。
そのような目的を果たす上で、必要に応じ政治家との繋がりを持っているのか、それとも教団の拡大など違う動機を持つのか、そこもしっかりと見て、関わる内容や大きさの程度に応じて判断する必要があると思っています。
もちろんその宗教が教団内で、労働やお布施の強要など、反社会的と思われることをしているようでしたら、また別な問題となりますね。

ワールドメイトの活動の実態とは
ちなみにワールドメイトからは、いまだかつて、お布施を強要されたことがありません。奉仕を強要されたり、神事への参加を強制されたこともありません。
納得せずに強要されて出したお金や奉仕を、神様が喜ぶとは僕には思えませんので、当たり前のことなんですけどね。
そしてワールドメイトは、これまでに世界で社会的に恵まれない人々を、おそらく数百万人単位で直接支援し、救済してきました。日本の宗教においては有数の規模ではないかと思います。
同時並行で深見東州先生は、大所高所から社会がより良くなるようにとの思いから、さまざまな活動をワールドメイト以外でもされてきました。
宗教だけが救いではないので、スポーツや芸術、福祉活動、学術や教育、国際協力に関する活動や会議など、世界中で、多くの分野にまたがって活動されています。その多くを、ワールドメイト会員も応援しています。
その過程において深見東州先生は、世界の宗教家はもとより、王室や政治家や経済人、文化芸術、教育やスポーツに携わるさまざまな著名人たちとの交流を持つに至ります。
そしてお互いに理解し、賛同できることは、一緒に協力してさまざまな形で社会への貢献をされています。