国際スポーツ振興協会の2019年後半と来年の方向性
今年の6月以降、国際スポーツ振興協会が主催する、また支援する新たなゴルフトーナメントの動きがいくつかありました。まずそれらを紹介したいと思います。
そして、今後の方向性が、去年とはかなり違う様相になっているので、そのことにも触れていきたいと思います。
ISPS HANDA ・シニア グランド ゴールドツアー
こちらは、第一回が7月25日・26日に、第2回が8月26日・27日に開催されました。第3回は9月25日・26日に開催予定です。以後毎月、年内に第6回まで開催される予定です。
このトーナメントは、シニア(50歳以上)、グランドシニア(60歳~67歳)、ゴールドシニア(68歳以上)のゴルファーが出場する試合ですが、ISPSの所属や関連の男女レギュラー選手も出場が認められているそうです。
ただし、公平を期すためハンディキャップが設けられていました。また、ティーの位置も、シニアとグランドはブルーティ、ゴールドはホワイトティ、80歳以上はレディースティから打てる、となっています。
日本のPGA主催のシニアツアーへの出場を決めるQT1次試験には、約600人のプロゴルファーが受験しますが、本戦に出場するのは、QT2次試験の上位15人だけという狭き門になります。そこで、試験を落ちて試合出場する機会がない選手たちに、試合出場の機会を与えるという目的があるそうです。
したがって、シードを持つプロは出場できませんが、もう一つユニークな出場資格があります。思わず笑ってしまいましたが、中山徹競技委員長のお眼鏡にかなったプロのみが出場できそうです。お眼鏡といっても、ピンの位置や天候など、あらゆる件に関して文句を言う人は出場をお断りすると言うことらしいです。この大会は参加者からエントリーフィや会費を一切徴収しないので、文句を言いたい人は、権利のある他のところで存分に言ってください、とのことでした(笑い)
と言うことは、トーナメントの運営にブツブツ文句を言うゴルファーが、けっこういるんだろうなと思いました。中山徹プロによると、ISPSは、スポーツを通して人々を幸せにし、より良くし、社会をより良くすることがモットーなので、社会常識や一般常識を身につけた、まともな人のみに出場が限られるとのことです。人間性に優れたプロが、アマチュアにも慕われ、スポーツを通じてより良い社会づくりに貢献できるからだそうです。
そして、1試合の賞金総額は500万で、それを6試合行い、賞金王には限りなく新車に近いスポーツカー贈呈もあるようですが。
細かい試合結果まではわかりませんが、とにかく細かい規則に縛られず、和気藹々としていて、真剣勝負の中にも楽しんでやることが前面に出ていた大会になったことが書かれていました。

ISPS HANDA 全国中学校・高等学校チャレンジゴルフマッチプレー選手権
今年が第一回ということで、8月27日から31日にかけて栃木県で開催されました。毎年12月に沖縄で開催される全国中学校・高等学校選抜ゴルフマッチプレー選手権の、いわば2軍に当たる試合になるそうです。といっても、トップ選手が集まる選抜には出場できなかったものの、それに準ずる実力を持っている選手が出場したと思われます。
選抜大会はオールマッチプレーのためもあって、全国の中学・高校から32人(中学生8人・高校生24人)のみの出場になります。この大会を開催することで、選抜には漏れたけども有望な選手たちを育てる良い機会になることでしょう。
一人でも多くの優秀なジュニア選手に、早い時期からマッチプレーを体験させ、総合的な技術力やタフなメンタル力、そしてマナーを身につけて欲しいとの願いがあるように思います。
深見東州先生(半田晴久ISPS会長)は、マッチプレーに関して、「マッチプレーはゴルフの原点。対戦相手とガチの真剣勝負だから、技術・体力・精神力を要し、プロとしての本当の強さ(人間力)を身につけることができます。それは将来世界を相手に戦う時に、重要な武器となるはずです」と、マッチプレーの開催を、強く推奨されています。
ちなみにトップ選抜選手によるマッチプレーは、今年も12月9日から、沖縄で開催される予定です。アマチュアとして優れた実績を残し、昨年度女子優勝の安田祐香選手は、その後LPGAツアー(米国女子)に参戦し、活躍していますね。

ATP GOLF TOUR支援、男女のATP ISPS HANDA CUP開催
ATP GOLF TOURの存在を、最近まで知りませんでしたが、2003年からスターとしていて、今年で17年目を迎えています。
ミニツアーの一つと言えるでしょうけど、スポンサーもいませんし、当然ゴルフ協会の公認試合になることもありません。それでも選手たちからエントロフィーをもらい、それを賞金にして、今では年間に男子57試合(のべ2488名)、女子55試合(のべ1213名、いずれも2018年度)も開催するほどの驚くべきミニツアーでした。
1日だけの日程とはいえ、ほぼ毎週1試合は開催されていることになります。しかも、その運営を鴇田代表が1人でされていると知り、2度驚きました。
参加者は多士済々で、レギュラーツアーで活躍を目指すプロから、現役シニアプロ、ゴルフ場などで働く研修生や学生ゴルファー、腕に自信のあるアマチュア選手なども参加するそうです。多い時は150人を超える試合もあるようです。
手作り感いっぱいのトーナメントですが、少額とはいえ賞金がかかっていますし、手出しもするわけですから、プロを目指す若い選手には、かなりの武者修行になることでしょう。また、開催コースに、プロテストや公式戦が開催されるコースを選んでいることも好評で、人気の秘密になっています。
それもあって、この大会の常連から、レギュラーツアーで活躍するプロへと成長したゴルファーも多く生まれているそうです。若手の選手育成の場として、大きな役割の一つを担ってきたと言えますね。全米で優勝した小平智プロや、全英女子オープン優勝の渋野日向子プロも、このツアーで腕を磨いたそうです。
それにしても、そんな貴重なミニツアーを1人で切り盛りしてきた鴇田代表ですが、やはり1人では限界もあるでしょうし、リスクもあると思います。それで深見東州先生が会長を務める国際スポーツ振興協会が、そのツアーのスポンサーとなって、今後は全面的に支えることになるようです。
具体的には、まず今年の6月から来年1月の間に、男女それぞれ10試合づつ、従来の方式に加えて100〜50万円の賞金をプラスする「ATP ISPS HANDA CUP」を開催するそうです。
そうすることで、参加者もさらに増え、賞金だけではなく運営費に回せる額も大幅に増えるため、運営の人員も増やせます。代表の収入も人並みの収入となり、安定して運営ができることになります。
さらに、その大会で優勝した選手たちによる、マッチプレー決勝トーナメントを2月に行う予定だそうです。やはり、ここでもマッチプレーが登場しますね。ジュニアのマッチプレー選手権でも書きましたが、ここから世界へ羽ばたき活躍できる選手になって欲しいという思いの表れなのでしょう。

日本ゴルフツアー機構と国際スポーツ振興協会に関する報道
ところで昨年までは、日本ゴルフツアー機構のレギャラーツアーとチャレンジツアーで、トーナメントを開催してきた国際スポーツ振興協会ですが、今年からは全てなくなりました。
月刊TIMES2018年12月号には、「男子の日本ゴルフ界の旧態依然ぶりやスポンサー配慮の無さ、サービス精神の欠如ぶりが、いくつか指摘されていたが、そんなゴルフ界に、このままでいいのか、一度スポンサードを休んで、問題提起をするつもりのようだ」と書かれています。
また、パーゴルフには、以下のような話が書かれていました。
そもそもこの人事の狙いは、海外にも出ることが多い青木の代役が務まる大物を、副会長に据えることだった。青木体制スタート時、大西氏とともに副会長としてトロイカ体制の一角を担った松井功氏が訴訟騒動の末、退任。
その後ニューメディア戦略の期待を担った吉本興業の元副社長・橋爪健康氏もまた辞任。青木を支えるべき存在の副会長人事が迷走したことで、JGTOの改革は進まなかった。
そうした中、白羽の矢が立ったのが尾崎だった。青木が不在の場面でも十分に穴を埋められ、ツアー最高額賞金を供出している国際スポーツ振興協会(ISPS)とも契約を結んでおり、そのトップである半田晴久氏とのパイプも太い。
だがこの食事の席で、事態はひっくり返った。青木サイドから尾崎に理事会出席を迫る発言が出たことで、結局、副会長就任案は流れてしまった。さらにこの後、大西副会長もその座を追われてしまった。
今回の騒動はJGTOサイドが主催者であるISPSに非礼な態度を繰り返したことでISPS側が激怒。来季開催を予定していた「ISPSハンダマッチプレー選手権」(賞金総額2億3000万円)、「ISPSハンダ東京オープン」(新規開催・賞金未定)と、下部ツアーの「ISPS HANDAチャレンジカップ」(賞金総額2000万円)の3大会の中止を通告した。
それが報じられることとなり、JGTOも今回心配をかけたスポンサーたちに対し謝罪をしないわけにはいかなくなったわけだ。この会議はスポンサーサイドの事務局長レベルが情報交換を目的に行っている会議。そこに主催者のトップである半田会長が来ること自体、異例中の異例。この日の参加者は27人だったというが、関係者はヒヤヒヤしながら事の成り行きを見守っていたという。
今回は来年初開催となる米PGAツアー大会の説明などがメインテーマだったが、会議そのものは半田会長の独壇場。だが半田会長の口から飛び出したのは関係者の多くが予想していたような怒りの言葉ではなく、JGTOの問題点を踏まえたうえでの建設的な意見だったという。
「4年ほど前にISPSが初めてJGTOのスポンサーをしたとき、選手の一人が挨拶もお礼もなく『プロアマの表彰式は長すぎるから短くしてくださいよ』と注文をつけた。これにISPSサイドが激怒して『それならプロアマの表彰式が長くて嫌だといっている選手を実名入りでリストアップしてくれ。その人は呼ばない。たとえ無名であろうと、トーナメントを一緒に盛り上げてくれるプロを呼びたい』と頼んだという。そのときから不信感はあったが、今年の大会の記者会見に青木功会長が来なかったり、表彰式が中継されなかったりとトラブルが続いたことにより中止を決めたとの説明もあった」(関係者)
その後も、選手が議決権と人事権を握っていることの弊害を指摘。賞金を平均化することを推奨するスポンサーに対しても、明確にその問題点を説明した。

そして、今年8月に発売されたゴルフスタイルという雑誌に、深見東州先生(半田晴久ISPS会長)の話が掲載されました。
日本のゴルフ界の将来を思い、マッチプレー開催を決断し、賞金も国内最高額くらいにしないと日本のプロは覚醒しないのではとの思いがあって2年間開催してきたそうです。ただ、その思いは日本ゴルフツアー機構(JGTO)には通じなかったようです。運営費を含め6億の資金を提供しながら、スポンサーへの礼儀や感謝もなく、逆に非礼な対応を受けていたとのことです。
パーゴルフの記事にあるように、突出した高額な賞金ではなく、他のスポンサーとの兼ね合いから、賞金額を平均して欲しいとの要望もあったようです。それはまだしも、深見東州先生がワールドメイトに関わっていることで、差別的な言葉を浴びせられることがあったそうです。
それも関係していたのか、昨年のマッチプレー最終日AbemaTVの中継放送において、深見東州先生が登場する表彰式を中継しませんでした。解説者の話しをずっと放送していました。
あの時、そんな事情など何も知らない僕でも、さすがに違和感を覚え、変わった放送をするなと思いました。放送時間が余っているのに、はれの表彰式をライブ中継しないスポーツ中継を初めて見ました。
その後、上に紹介した記事を見てから、JGTOと国際スポーツ振興協会との間に、何があったのかが、ようやく僕にも見えてきました。
日本では宗教がスポーツや文化に関わることに、アレルギーを持つ人は多いです。国際スポーツ振興協会は、一般社団法人であり宗教団体ではありません。しかし、会長が深見東州先生であり、ワールドメイトからも支援を受けているため、まるで宗教団体が運営していると思っている人もいるようです。
僕もワールドメイト会員ではなかったら、勘違いしていたかもしれませんので、無理もない面もあるのかもしれませんが。
考えてみると、宗教団体が直接スポーツや文化に関わる例は、日本でもいくつも見られます。高校野球で有名なPL学園も、その一つです。運営は学校法人PL学園ですが、PL教団の敷地内にあり、PL教団の教えに沿ってできた宗教が母体の学校になります。
他にも、宗教団体が母体の学校はたくさん存在します。それらの学校はスポーツや文化にも深く関わり、出場するだけではなく、イベントを主催することもあります。それによって宗教の布教につながる側面もあると思いますが、特に問題だと思ったことはありませんでした。
独自の宗教儀式を行うと困りますけどね。そんなこともなく、健全なるスポーツ活動をしています。そのため新興宗教が母体の学校が高校野球に参加し、テレビ中継されても、誰もなんの問題もないと思っていると思います。そもそも反社会的な組織ではないので、当然のことだと思います。
そして国際スポーツ振興協会の場合は、会長が深見東州先生というだけで、ワールドメイトの名前はどこにも出てきませんし、宗教的な内容も当然ありません。宗教が母体となる学校と比較して、一層明確に、全くの別組織なのです。
そもそも深見東州先生自身、宗教家である前に実業家でもあります。群馬に宗教法人「明日香宮」を創設し、その教祖であり宮司であった、実業家の角川弘樹氏と似ています。
また、エスエス製薬の創業者泰道照山のように、天台宗の僧侶であり、出家得度した人物も日本にはけっこういますね。そのような人物が、株式会社ではない、宗教関連の組織の長を務めることもあります。だからと言って、その人物が経営する企業を宗教がらみで問題だとは言わないと思います。
宗教団体から支援されている組織も、かなり存在すると思います。それを問題のある資金だと思う人もいますが、その宗教団体が、反社会的な活動を行なってお金を得ている証拠があれば別ですが、そうではないのに、まるで宗教団体のお金は汚れた資金かのように偏見を持つのは間違いだと思います。
海外においては、深見先生が宗教のリーダーをしているからと言って、国際スポーツ振興協会を問題だと言う人はいないそうです。逆に深見東州先生の考えに共感を持つ人が多いです。これまでの活動に対する評価や対応を見ていてもわかると思います。
深見東州先生が宗教に関わっていても、その人の実績と活動内容をよくみて、素晴らしいものは素晴らしいと偏見なく評価されるのでしょう。宗教に強いアレルギー反応を持つ人も少ないのかもしれません。
日本には、深見東州先生が行なっている活動は、全てワールドメイトの宗教が母体であると、条件反射的に思う人がいますね。みすず学苑さえ、宗教団体が運営していると勘違いしている人がいまだにいます。そのように一度思い込んでしまうと、なかなか間違いに気がつかなるのかもしれません。
そのような偏見や誤解を持って接してくる団体や人たちではなく、今後は本当にゴルフの発展を願うミニツアーや、中学・高校の若い選手たちの将来のために、支援をすることにされたようです。また、これまで長い間ゴルフに貢献しながらも、報われないシニアゴルファーたちも応援されたいそうです。











